10ギガ光回線をPCに有線接続する際に、PC側のLANポートが1Gbpsや2.5Gbpsのままでは、10Gbpsの速度を発揮することはできません。
10Gbps対応のLANカードをPCに増設しようとするも、対応規格やメーカーごとの違いが分かりづらく、「結局どれを買えば失敗しないの?」と迷ってしまう人も多いでしょう。
この記事では、筆者が実際に10G LANカードを増設した経験をもとに、これから購入する人向けに「おすすめの10G LANカード」「選び方」「購入前に確認すべきポイント」を分かりやすく解説します。
10G LANカード選びで迷っている方や、自分のPCに本当に必要なのか判断したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
10G LANカードを選ぶ前に見るべきポイント
10G LANカードを選ぶ前に、まずは自分のPCに取り付けられるかを確認しておきましょう。
一般的な10G LANカードは、PC内部のマザーボードにある「PCI Express1」スロットに差し込んで使用します。

ここで注意したいのは、10G LANカードによって必要なPCI Expressスロットの仕様が異なることです。
たとえば、BUFFALOのLGY-PCIE-MG3はPCIe Gen4.0(x1)対応、TP-Link TX401はPCIe Gen3(x4)対応です。
同じ10G LANカードでも、製品によって必要なスロットの世代(Gen)やレーン数が違います。
加えて、購入前に最低限以下は確認しておきましょう。
ここを確認せずに購入すると、せっかく10G LANカードを買ってもPCに取り付けられない可能性があります。
PCIeの世代・レーン数の確認方法や、取り付け手順などは以下の記事で写真付きで解説しています。
10G LANカードが自分のPCに取り付けられるか不安な人は確認しておきましょう。
10G LANカードおすすめ候補【比較表】
10G LANカード選びは、PC構成やネットワーク環境、予算などによって最適な機種が変わってきます。
まずは以下の表を参考にしてください。
| 製品 | おすすめの人 | 特徴 | インターフェイス |
|---|---|---|---|
| BUFFALO LGY-PCIE-MG3 | PCパーツの増設に不慣れな人 | 国内メーカーだからサポート安心。ネットに情報も多い。 | PCIe Gen4.0 x1 |
| TP-Link TX401 | 信頼性と価格のバランスを重視する人 | 世界でシェア率が高いTP-Link製。1.5mのLANケーブル付き。 | PCIe Gen3.0 x4 |
| Side3 SX401 | とにかく価格を抑えたい人 | 1万円以下で買える10G LANカード | PCIe Gen4.0 x1 |
| ASUS XG-C100C V3 | 比較的古めのPCに取り付けたい人 | Gen2.0対応。古めのPCでも検討しやすい。 | PCIe Gen3.0 / 2.1 / 2.0 x4 |
安心感重視なら【BUFFALO LGY-PCIE-MG3】
国内の大手ネットワーク機器メーカーであるBUFFALOの10G LANカードです。
PCI Express Gen4.0 x1対応のため、PC側が対応していれば短いPCIeスロットにも増設できます。
取り付け方法に関する情報がネット上に多く、公式サポートページも分かりやすいため、PCパーツの増設に不慣れな人でも安心して導入できるでしょう。
ちなみに筆者は本製品の旧モデル(LGY-PCIE-MG2)を使用しており、動作は安定しています。
信頼性と価格のバランスを重視するなら【TP-Link TX401】
ネットワーク機器で世界的にシェア率が高いTP-Linkの10G LANカードです。Cat6AのLANケーブル(1.5m)が付属します。
こちらはPCIe Gen3対応ですが、「PCIe Gen3 x4」はx1スロットより接続端子が長いため、購入前にマザーボード側の空いているPCIeスロットの長さと、グラフィックボードとの干渉を確認しておきましょう。
BUFFALOのLGY-PCIE-MG3よりもやや手頃な価格で購入できるため、「知名度のあるメーカーが良いけれど、できるだけコストも抑えたい」という人におすすめです。
価格を抑えたいなら【Side3 SX401】
ランクアップ合同会社という日本企業が展開するside3ブランドの10G LANカードです。
低価格ながらPCIe Gen4.0 x1に対応し、Realtek RTL8127チップを搭載しているため、得体の知れない無名チップを使った製品とは一線を画す安心感があります。
ただし、BUFFALOやTP-Link、ASUSといった大手メーカーと比べると、サポート面や情報量の少なさが気になる点です。導入時に不明点が出ても自分で調べて解決できる人であれば、十分に選択肢に入る製品と言えるでしょう。
比較的古めのPCに取り付けたいなら【ASUS XG-C100C V3】
PCパーツメーカーとしても知名度が高いASUSの10G LANカードです。
インターフェイスがPCI Express 3.0/2.1/2.0 x4と記載されているため、2.0世代の古めのPCにも取り付けできます。
ただし、x4以上の空きスロットが必要になるため、購入前にマザーボード側のPCIeスロットの長さや、グラフィックボードとの干渉は確認しておきましょう。
ASUS製のマザーボードやグラフィックボードに馴染みがある人、自作PCまわりのメーカーをできるだけそろえたい人にもおすすめです。
10Gbpsまでは不要なら2.5G LANカードもあり
10ギガ光回線を契約したからといって、必ずしも10G LANカードを用意する必要はありません。
次のような人は、2.5G LANカードも選択肢に入れてみましょう。
時期やメーカーによって差はありますが、2.5G LANカードは10G LANカードの約3分の1程度の価格で購入できます。
そのため、予算を抑えつつ1Gbpsより速い環境を試してみたい人にとっては最適な選択肢です。
ただし、当たり前ですが2.5G LANカードでは理論上の最高速度が2.5Gbpsまでしか出ません。
10ギガ光回線のポテンシャルをしっかり体感したい人は、10G LANカードを選びましょう。
10G LANカードの選び方
10G LANカードを選ぶときは、自分のPCに取り付けられるかに加えて、自宅のネットワーク構成もあわせて確認しましょう。
PCIeスロットに取り付けられるかどうかは、前述の10G LANカードを選ぶ前に見るべきポイントで解説した通りです。
そのうえで、次の3点もチェックしておくと安心です。
10Gbps以外の速度にも対応(マルチギガ対応)しているか確認する
10G LANカードを選ぶときは、10Gbpsだけでなく5Gbps・2.5Gbps・1Gbpsといった複数の速度に対応しているかを必ず確認しましょう。
家庭内のネットワーク機器は、すべてが10Gbps対応とは限りません。
たとえばルーターのLANポートが2.5Gbpsまでだったり、スイッチングハブやNASが1Gbpsまでだったりするケースはよくあります。
そのため5Gbps・2.5Gbps・1Gbpsにも対応したLANカードの方が、環境に合わせて柔軟に使えて便利です。
メーカー公式サイトや商品ページの「仕様」「スペック」「対応規格」欄を確認し、次のような表記があればマルチギガ対応です。
本記事で紹介している10G LANカードをはじめ、多くの製品はマルチギガに対応していますが、製品を選ぶ際には念のため確認しておくと安心です。
ルーターとLANケーブルも10Gbps対応か確認する
PC側に10G LANカードを増設しても、ルーターやLANケーブルが1Gbps対応ならそこで速度の上限が決まってしまいます。

これからルーターを用意する場合は、10ギガ対応ルーターのおすすめ機種を確認するの記事で用途に合った機種を確認してください。
これから10ギガ回線業者を決める人は、ルーターのレンタルサービスや優待価格を利用してコストを下げられる可能性があります。詳しくは回線業者のルーターレンタル・優待価格購入を確認するの記事を参考にしてください。
また、LANケーブルはCat6AのUTPがおすすめです。カテゴリーの見分け方や、配線場所に合った形状・長さは、10ギガ対応LANケーブルの選び方で解説しています。
ルーターやLANケーブル、スイッチングハブなど、LANカード以外の機器もまとめて確認したい場合は、以下の記事へ進んでください。
メーカーやサポートの安心感で選ぶ
10G LANカードはPCケースを開けて取り付ける必要があるため、マウスやUSBメモリのように気軽に交換できる周辺機器とは少し違います。
環境によっては対応OSやドライバーの確認が必要になることもあるため、メーカーのサポートが受けやすいかどうかも判断基準になります。
筆者は以前からBUFFALOのルーターを使っているので、LANカードも同じくBUFFALO製を選びました。
メーカーを統一しておけば、万が一トラブルが起きた際にもサポート対応がスムーズに進むのではないかと考えたからです。
慣れないパーツや作業だからこそ、信頼できるメーカーを選んでおくと、万が一サポートが必要になったときにも安心です。
10G LANカードに関するよくある質問
10ギガ光回線に10G LANカードは必須?
10ギガ光回線を契約していても、PCのLANポートが1Gbpsや2.5Gbpsまでの対応であれば、インターネットに接続すること自体は問題なく行えます。
ただし、次のような場合は10G LANカードが必須になります。
一方で、10ギガの速度そのものよりも帯域の余裕を求めて契約した人や、普段はWi-Fi中心で利用する人にとっては、10G LANカードは必須ではありません。
ノートPCでも10G LANカードは使える?
基本的にPCI Express接続の10G LANカードはノートPCに取り付けられません。
ノートPCで10Gbpsの有線LANを利用したい場合は、USBやThunderbolt経由でLANポートを増設できるLANアダプタを使うという選択肢があります。
Thunderbolt 3以上に対応したノートパソコンであれば、10Gbps対応LANアダプタで有線LAN接続が可能です。
お使いのノートパソコンのUSB規格は、メーカーの製品ページやマニュアルで確認しましょう。わからない場合は、メーカーへ直接問い合わせてみるのがおすすめです。
まとめ:10G LANカードは「使うPC」と「目的」に合わせて選ぶ
10G LANカードは、メインPCを有線LANで10Gbps接続したい人にとって重要なパーツです。
筆者はBUFFALOの10G LANカード 「LGY-PCIE-MG2」 を2024年6月に購入し、現在も使用しています。
10ギガ光回線を申し込んでから開通まで約3か月かかったため、開通前の段階で先にLANカードだけ取り付けて準備していました。
使用開始からすでに2年以上経ちますが、これまでトラブルは一切なく、安定して使用できています。
なおLGY-PCIE-MG2はすでに販売終了しているため、バッファロー製の10G LANカードを検討している場合は、後継モデルの「LGY-PCIE-MG3」がおすすめです。
一方で、PCIe Gen3 x4の空きスロットがあるならTP-Link TX401、価格を抑えたいならSide3 SX401、ASUS製パーツに馴染みがあるならASUS XG-C100Cも比較対象になります。
10Gbpsまでは必要ない場合は、2.5G LANカードを選ぶのも現実的です。
大切なのは、価格やメーカー名だけで選ぶことではありません。
自分のPCに取り付けられるか、ルーター側に10Gbps対応LANポートがあるか、LANケーブルが10Gbps向きかを確認したうえで、自分の環境に合う10G LANカードを選びましょう。
10G LANカードを購入する前に「自分のPCに取り付けられるか不安」という方は、取り付け前の確認方法と増設手順を解説した記事も参考にしてください。
また、10G LANカード以外にも、ルーター・LANケーブル・スイッチングハブなど、10ギガ光回線に必要なものをまとめて確認したい方は、以下の記事もあわせて読んでみてください。
- マザーボードとPCパーツを接続するための規格。省略して「PCIe」や「PCI-E」と表記されることが多い。 ↩︎






